通信制高校とは?全日制との違いと共通点
本記事では「通信制高校」を通信制普通科、「全日制」を全日制普通科として解説します。
※単位制普通科については別記事でご紹介予定です。
◆はじめに
近年、通信制高校を選ぶ家庭は急増しています。
文部科学省の調査によると、2024年度時点で全国の通信制高校生は約29万人。高校生全体の約11人に1人が通信制で学んでおり、過去最高を更新しています。
もはや通信制は「特別な学び方」ではなく、一般的な進路のひとつになりつつあります。
選ばれる背景としては、
- 不登校や体調不良で毎日通学が難しい
- アルバイトや習い事との両立を希望
- インターネット授業や動画教材の普及で学びやすくなった
などが挙げられます。
通信制高校は、自宅学習を中心に必要な日のみ登校(スクーリング)する仕組み。
この柔軟さにより、家庭の事情や本人の体調、やりたい活動との両立が可能になります。
「毎日登校すること」が必ずしもすべての生徒にとって最適ではありません。中には、自分のペースで学べる通信制のほうが力を発揮できるケースもあります。
本記事では、通信制高校の仕組みや特徴を分かりやすくご紹介します。
◆通信制と全日制の共通点
通信制も全日制も、法律上は同じ高等学校です。
そのため、卒業資格も同じ「高等学校卒業」で、就職や大学・専門学校進学にも等しく活用できます。
卒業要件(両者共通)は次の3つです。
- 在籍期間が通算3年以上
例:1年目に半年在籍 → 転学先で2年半在籍 → 計3年で卒業可能。 - 修得単位数が74単位以上
必修科目(国語・数学・英語・理科・社会など)+選択科目の合計。 - 特別活動への参加(30時間以上)
入学式、ホームルーム、文化祭、スクーリング時の特別授業など。
学校によってはボランティア活動も含まれる場合があります。
※必修科目の指定は学校によって異なるため、学則を確認しましょう。
◆大きな違いは「単位の取り方」
共通点は多いものの、卒業単位の習得過程は大きく異なります。
- 全日制:毎日登校して授業を受けるのが前提。授業を欠席・遅刻が多いと、テストの点数が良くても単位は取れません。(おおむね全授業の1/3欠席で修得不可のケースが多い)
- 通信制:授業時間が少なく、必須登校日も限られます。毎日6時間授業が難しい生徒も卒業を目指せます。
その代わり、通信制には添削指導(レポート提出)が必須です。
◆通信制高校の学習の流れ
- レポート(添削課題)の提出
科目ごとに課題を自宅で作成し、学校へ提出。教員が添削し返却。期限までに出さないと単位取得が困難に。 - スクーリング(面接授業)
年数回〜月数回、学校や指定会場で授業を受けます。実技やグループワークも行われます。 - 単位認定試験
レポート・スクーリングの内容をもとに試験を実施。基準を満たすと単位修得。
通信制は自己管理能力が求められる学び方ですが、その分自由度が高いのが特徴です。
◆通信制高校の主な利点
- 柔軟な学習スタイル:体調や生活リズムに合わせた学習が可能
- 多様な進路選択:大学進学、就職、芸能・スポーツ活動との両立も可能
- 精神的負担の軽減:通学ストレスが少なく、安心して学べる環境
ただし、難関大学を目指す場合は、全日制に比べ授業時間巣が少ないため自主学習が必要です。
◆まとめ
通信制高校は、全日制と同じ卒業資格を持ちながら、自分に合った学び方が選べる柔軟な学校です。
保護者にとっても、子どもの状況に応じて安心して選べる進路の一つと言えるでしょう。
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2025年8月13日