「学校どう?」と聞きすぎていませんか?
◆ はじめに
冬休みが始まり、年末年始は部活動も休みとなり、お子さんたちは学校から少し離れた時間を過ごします。
このような時期だからこそ、改めて見直したいのが、お子さんへの学校の聞き方です。
学校でどのように過ごしているのかは、親としてとても気になるものです。
そのため、つい「学校どう?」「大丈夫?」と何度も声をかけてしまうこともあるでしょう。
しかし、もし週に何度も同じような問いかけをしているとしたら、
その心配が、かえってお子さんに負担をかけている可能性もあります。
ここでは、心配しているからこそ陥りやすい
「学校どう?」の落とし穴について整理していきます。
◆ 学校の話と一致しない!?
教育相談の中で、よく寄せられるのが次のような声です。
「お子さんは学校が不安だと言っているのに、先生からは特に問題はないと言われました」
家庭では、
「学校で嫌なことばかりある」
「友だちとうまくいっていない」
という話が続いている一方で、学校に確認すると、
「友人関係で時々トラブルはあるが、普段は笑顔で過ごしている」
「授業中も大きな問題は見られない」
といった返答が返ってくることがあります。
このようなとき、
「どちらが正しいのだろう」
「学校は何か隠しているのではないか」
と不安になる保護者の方も少なくありません。
しかし、家庭と学校の話が食い違うこと自体は、決して珍しいことではありません。
そこには、いくつかの分かりやすい理由があります。
◆ 原因①「困ったことはない?」と聞き続けてしまう
背景を丁寧に見ていくと、家庭での関わり方に共通点が見られることがあります。
それは、保護者の方が強い心配から、
「今日は困ったことはなかった?」
「嫌なことはなかった?」
と、頻繁に確認しているケースです。
この気持ちは、とても自然なものです。
最初のうちは、お子さんも
「特にない」
「普通だった」
と答えます。
しかし、同じ質問が繰り返されると、
「何か答えなければいけないのでは」
「何度も聞かれるのが面倒だから、適当に答えておこう」
と感じるようになることもあります。
その結果、本来は一日の中の小さな出来事が
「困りごと」として語られたり、内容が膨らんだりすることがあります。
◆ 原因② 家庭と学校では見えている情報が違う
もう一つの理由は、家庭と学校では、お子さんの姿を見ている条件が大きく異なる点です。
学校では、授業中の様子や休み時間の過ごし方、友人との関わりを、
教師が日常的に、連続的に見ています。
一方、家庭では、学校での一日すべてが共有されるわけではなく、
お子さんが話してくれた一部分を通して状況を知ることになります。
そこに親の心配が重なることで、印象が強く残ることもあります。
家庭で聞く話が事実であっても、
それが学校生活全体を表しているとは限らない場合があるのです。
◆ 実際の相談事例より
※ご許可いただいたうえで、内容は個人情報に配慮し、再構成しています。
家庭では、
「学校で嫌なことばかりある」
「友だちと合わない」
という話が繰り返されていました。
一方で、学校では、
友人関係で衝突することはあるものの、
日常的には複数の友だちと関わり、笑顔で過ごしている様子が確認されていました。
整理していくと、
保護者の方が強い不安を感じ、毎日のように「困りごと」を確認していたこと、
そして反抗期が重なり、家庭内の関係が不安定になっていたことが分かりました。
時間の経過とともに本人の精神的な成長が進み、
家庭で語られる内容も落ち着き、
家庭と学校の見え方のズレは次第に小さくなっていきました。
◆ それでも心配なときは
「聞きすぎない方がよい」と分かっていても、
何もしないまま様子を見ることに不安を感じるのは自然なことです。
また、重大な問題があっても、
お子さんが親には話したがらないケースもあります。
そのような場合は、お子さんへの質問を増やすよりも、
学校に相談するという選択肢があります。
大切なのは、「訴える」ことではなく、「相談する」姿勢です。
家庭と学校のどちらかを否定するのではなく、
なぜズレが生まれているのか、
今、どう関わるのがよいのかを一緒に整理していくことが、前向きな解決につながります。
◆ まとめ
お子さんが語る学校の様子と、学校で見えている姿が一致しないことは、特別なことではありません。
その背景には、親の不安や、情報の集まり方の違いがあります。
大切なのは、
どちらが正しいかを急いで決めることではなく、
状況を冷静に整理し、適切な距離で見守ることです。
質問を減らすことは、放置ではありません。
お子さんが自分の経験を整理できる環境を整える、前向きな関わり方です。
◆ 教育相談のご案内
・学校の話をどう受け止めればよいか分からない
・学校と家庭の見え方の違いに戸惑っている
・学校にどう相談すればよいか悩んでいる
このようなお悩みがある場合は、教育相談をご利用ください。
学校現場での経験を踏まえ、状況整理と具体的な関わり方について、現実的な視点でご相談をお受けします。
「大きな問題になる前に、一度整理したい」
その段階でのご相談も歓迎しています。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
2025年12月31日
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