中学で不登校。内申がつかない場合、高校受験はどうなるの?
◆はじめに
いよいよ受験シーズンの到来です。この時期になると受験生をもつ保護者の方以外も受験の話題が気になる時期です。特に不登校のお子さんを持つ中学2年生や1年生の保護者の方は来年や再来年の受験が心配になってくる時ではないでしょうか。
当教室でも不登校に関する相談で、「うちの子、中学校にほとんど行けていない。内申書が真っ白だったら、もう高校には行けないんでしょうか」という質問をお聞きしたことがあります。
学校からは「出席日数が足りない」「テストを受けていない」と言われ、どこにも進路が残っていないように感じてしまう。そうした不安は、決して大げさではありません。
ですが、内申がつかなくても高校進学の道は複数あります。
ただし、それは「どの高校でも自由に選べる」という意味ではありません。選択肢は存在しますが、減るということは事実です。この記事では、不登校で内申が乏しい、あるいはほとんどつかない場合に、高校受験がどうなるのかを解説したいと思います。ただし、あくまでも一般論です。ケースバイケースのこともありますので、ご了承ください。
◆そもそも「内申がつかない」とは、どういう状態か
内申書(調査書)に記載される主な項目
中学校が作成する「調査書(いわゆる内申書)」には、主に次のような内容が記載されます。
- 評定(5段階評価) ― 各教科の成績
- 出席日数・欠席日数
- 特別活動の記録 ― 委員会活動、学校行事への参加状況
- 行動の記録 ― 「責任感」「協調性」などの観点別評価
- 総合所見 ― 担任による記述
評定は、学習指導要領に基づき、テスト結果、提出物、授業中の様子など、複数の評価資料を総合して決定されます。不登校の状態が続くと、制度上、次のような状況になります。
- 定期テストを受けていない
→ 評価資料が不足し、評定を付すことができない - 出席日数が著しく少ない
→ 出席・欠席日数は指導要録に記載され、その内容は調査書にも反映される - 行事・委員会に参加していない
→ 特別活動の記録に書ける内容が限られる
つまり、「評価できる材料そのものが存在しない」状態が、「内申がつかない」という状況の実態です。
学校教育法施行規則により、中学校には指導要録を作成する義務があります。また、その内容を基に調査書が作成されます。ただし、「必ず成績をつけなければならない」わけではありません。評価資料が不足している場合、評定を付すことができず、「評価不能」として扱われるケースや自治体や学校の判断により、形式的に最低評価が付されるケースがあります。
◆内申が乏しい場合、高校受験にどう影響するか
多くの都道府県では、公立高校の一般入試は、「調査書(内申)+当日の学力検査」を総合して合否が決まります。そして、内申の比重は決して小さくありません。学校や選抜区分によって換算方法は異なりますが、内申が合否に一定程度、影響する点は共通しています。仮に評定が最低水準、あるいはほとんど付いていない場合、内申点が極めて低くなります。その結果、当日点でかなり高得点を取っても内申が平均的な受験生に点数で追いつけないという状況が起こり得ます。
つまり、「内申が乏しい場合、公立高校の一般入試はかなり不利」「当日点勝負にはなるが、実際には厳しい戦い」ということになります。
◆では、どんな進路の選択肢があるのか
内申が厳しくても、高校進学の道が閉ざされるわけではありません。代表的な選択肢を整理します。
ただし、あくまでも例です。実際は各学校の募集要項や規定によります。
(1) 一部私立高校
私立高校の中には、当日の試験や面接で合否を決める学校があります。
- 単願・専願推薦:学校によっては不登校経験者への配慮あり
- 面接重視型:学力よりも本人の意欲や家庭の協力体制を見る
(2) 公立高校の後期選抜・二次募集
公立高校でも、次のような機会があります。
- 後期選抜(定員割れ校)
- 二次募集
(3) 通信制高校
- 入試は 書類選考+面接のみ が多い
- 内申や出席日数は原則問われない
(4) 定時制高校
- 学力試験+面接で判定することも
◆保護者がやるべきこととは
(1) 内申の実態を確認する
担任や進路指導に、次の点を率直に確認してください。
- 評定はどの程度見込まれるのか
- 欠席日数は最終的に何日になるのか
- 公立一般入試は現実的か
曖昧な答えでも構いません。厳しさの度合いを把握することが重要です。
(2) 私立高校や通信制高校などの情報を集める
- 内申不問で受けられるか
- 不登校経験者の入学実績
- 入学後のサポート体制
- 学費と支援制度
説明会では、必ず直接確認しましょう。
(3) 本人の意思を最優先する
進路選択で最も重要なのは、本人が「ここなら行けそう」と思えるかです。無理に進学させると、高校で再び不登校になるリスクがあります。
(4) 第三者の意見を活用する
- 教育相談機関
- 不登校支援団体
- 学校外の教育関係者
学校だけに頼らず、複数の視点を持つことも有効です。
◆まとめ――「内申がなくても道はある」が、準備は必要
不登校で内申が厳しい場合、公立高校の一般入試は現実的に難しいのが事実です。しかし、それは「高校に行けない」という意味ではありません。
- 一部私立高校
- 公立の定員割れ校・二次募集
- 通信制高校
- 定時制高校
選択肢は確実に存在します。
大切なのは、
- 現実を正しく把握すること
- 早めに情報を集めること
- 本人の意思を尊重すること
焦らず、しかし準備は計画的に。
それが、お子さんにとって無理のない進路につながります。
2026年1月22日
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