京都生涯学習研究所

教室通信

2026年度京都私立高校入試倍率発表 専願が増えると何が起きるのか

◆はじめに
2026年度入学の京都府私立高校入試において、出願状況が発表され、全体として倍率が上昇しています。
この背景には、いわゆる「高校授業料無償化」の影響が考えられます。
ただし、この倍率上昇を単なる数字として受け止めるのではなく、その中身を正しく読み解くことが重要です。

 

◆注目POINTは専願者の増加
今回の入試データで注目すべきは、専願者の増加です。
専願と併願を合わせて倍率を算出している学校もありますが、専願と併願それぞれの出願者数を公表している高校を見ていくと、多くの学校で昨年より専願者が増加しています。

 

◆なぜ専願倍率の上昇が重要なのか
私立高校入試には、大きく分けて専願と併願があります。
併願入試の場合、合格者のうち実際に入学する生徒は限られます。多くの受験生は公立高校が第一志望であり、私立高校は「滑り止め」として受験しているためです。
そのため、学校側はあらかじめ多めに合格者を出すことで定員を確保します。これが、「見た目の倍率は高いが、実際には倍率ほど厳しくなかった」という状況を生む理由です。

一方、専願入試は事情が異なります。
専願で受験する生徒は、相当特別な事情を除いて、合格すれば入学することが前提となっています。つまり、学校側は定員を大きく超えて合格者を出すことができません。
その結果、専願入試の倍率が上昇することは、そのまま受験難易度の上昇を意味します。

例えば、定員100人で専願と併願を合わせた倍率が2.0倍だった場合を考えてみましょう。
以下の数値は説明のための仮のものです。実際の受験結果とは関係ありません。

 

■ケース1:専願50人・併願150人(合計200人、倍率2.0倍)

専願合格者:40人(志願者の80%が合格と仮定)
残り定員:60人
併願合格者:120人(併願者は第一志望校に合格した場合は入学しないため、残り定員の2倍を合格させると仮定)
→実際の入学者:約60人

この場合の不合格者は以下の通りです。
・専願:10人(20%)
・併願:30人(20%)
・合計:40人(全体の不合格率20%)

 

■ケース2:専願100人・併願100人(合計200人、倍率2.0倍)

専願合格者:80人(志願者の80%が合格と仮定)
残り定員:20人
併願合格者:40人(併願者は第一志望校に合格した場合は入学しないため、残り定員の2倍を合格させると仮定)
→実際の入学者:約20人

この場合の不合格者は以下の通りです。
・専願:20人(20%)
・併願:60人(60%)
・合計:80人(全体の不合格率40%)

このように、全体の受験者数が同じであっても、専願の割合が増えると受験の難易度は上がります。

 

◆中学3年生はどうしたらいいのか
倍率や合格率といった数字は、全体の傾向を示すもので、個人の合否を直接決めるものではありません。数字を見て不安になること自体は自然ですが、そこで気持ちが折れてしまうと、本来できるはずのことができなくなります。

あせらず、できることを一つ一つ増やしてくことが大切ではないでしょうか。

 

◆中学1年生と2年生が調べるべきこと
今の中学1年生と2年生の皆さんに調べていただきたいのは、各私立高校が入試後に発表する合格最低点です。
実は、倍率だけでは本当の難易度を知ることはできません。本当の難易度を判断するためには、合格最低点の変化を見る必要があります。

各学校の入試問題の難易度が、例年と比べて大幅に変化することは想定しにくいため、合格最低点が上昇していれば、受験の難易度が上がったと考えられます。
もし、将来受験を考えている学校の合格最低点が上昇していた場合、例年の目安とされてきた模試の点数や偏差値では、想定外の結果になる可能性もあります。

少し先の話に感じるかもしれませんが、この変化を知っておくことは、今後の学習計画や志望校選択を考える上で大きな参考になります。

2026年2月6日

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